2013年5月12日日曜日

MV集『この日のチャイムを忘れない』(SKE48)を観ました。

 SKE48のDVD『この日のチャイムを忘れない』に収録されている、メンバー63人の単独MV集を観ました。

【感想】

 特に気に入ったMVだけピックアップしました。

・大矢真那『チョコの行方』
 まさながチョコに加工されるMV。チョコをテーマにした曲の世界観に見合った内容です。
 MV自体は演出等からしてもMTVで流れてそうな普通のMVだなと思うんですが、その“普通”というのがミソでした。というのは、このMVがDVDを再生して一番最初に流れるMVだから。初っ端の作品を手堅い作りにすることで、「63人分あるけど気合入れて作ったからちゃんと全部観ろよな!」って制作側の意図が伝わってきた気がします。まあ実際は、省エネな雰囲気のMVもわりと多いんですが……。
 映像作品の短篇集といえるこのDVDで視聴者の関心を掴むための第一歩として、一期生のまさなに白羽の矢が立ったのは、チーム名簿順とはいえ実に適任だったと思います。

・須田亜香里『Doubt!』
 個人的には、このMV集の中で最も良い作品です。他の作品より頭ひとつ抜けてる。
 独り海に立ってバレエを踊る真っ白いワンピースの少女、そして時折挿入される車椅子に乗って海を見つめる制服姿の少女。なんらかの不幸があってバレエ少女の脚が不自由になり、見つめる海の中でもう踊れなくなった自分がバレエを踊る姿を夢想する、というストーリーが、2分間という短いMVの中で克明に伝わってきます。
 そして、これを演じているのがあかりんというのが大きい。軟体女王で天真爛漫な彼女が物憂げな表情で車椅子に乗っている絵というのは、もうそれだけで凄まじく悲劇的な雰囲気がある。特徴的な彼女の満面の笑みもMVの中では鳴りを潜め、見せる笑顔はどれも儚さを湛えていて切ない。普段の彼女とのギャップが激しく、間違いなく彼女にしかできない作品でした。

・小木曽汐莉『寡黙な月』
 取り立ててスゴイところはないんですが、曲の雰囲気と映像の雰囲気がマッチしていて、見ていて楽しくなるMVです。万華鏡の演出の仕方は非常に凝っていて、よく考えられてるなあ~。
 個人的に小木曽さんの顔はあまり好きなタイプではなかったんですが、このMVは観てて「あ、いいな」って思いました。まあ、もういないんですけどね……。

・加藤智子『Nice to meet you!』
 モコちゃん+ゴルフという組合せは、なんというか、限りなく100点に近い。何も間違っていない。正しい組合せ。

・古川愛李『バンジー宣言』
 すごいJOY SOUND感。

・向田茉夏『フィンランド・ミラクル』
 戦場のど真ん中でまなつがフィンランド・ミラクルを踊ったらこの世界から争いは消えてなくなるんじゃないだろうか。

・古畑奈和『手をつなぎながら』
 探偵コスの奈和ちゃん見てるだけで楽しいMVなんですが、最後の展開がまさかのホラー。自分と同じ顔をもつ先輩は、彼女に何を伝えたのでしょうか……。
 神社の鳥居をくぐって、慌てて引き返して一礼してから再エントリーするシーンが高ポイント。

・山下ゆかり『パジャマドライブ』
 なんか変だなと違和感を覚え、これ逆再生なのか……?と途中で気づきました。観直すとちょっと不自然なところもあるのですが、初見では気づかないレベル。すごい。

・二村春香『チャイムはLOVE SONG』
 省エネを逆手に取った、印象に残るMVです。いかにも低予算なんだけど、その制作条件でどうやったらはるたむを印象づけられるかという制作側の工夫が感じられます。教育テレビっぽい雰囲気が楽しい作品です。

【満足度】

 ★★★☆☆。63本という作品数が一つにまとまると、良くも悪くも色々なMVが見られるなあ、と。
 悪いといっても嫌いってわけじゃないですが、もうひと味ふた味欲しかったMVは多かったです。特に木崎ゆりあ『狼とプライド』は、ゆりあちゃんという被写体に狼とプライドという楽曲と、いい素材が揃っているのに、大変もったいないなあと感じました。
 とはいえSKE48というアイドルグループの魅力をとてもよく引き出していることは間違いないので、ファンなら観ない理由はありません。

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